この記事のポイント
- 知識をどれだけ持っているかより、知識をどう使うかが問われる時代になった
- 「考えさせる」指導は手間がかかるため、市場全体としてはまだ移行の途上にある
- Ordinova KidsはAIチューターで、この「手間のかかる部分」を支える設計を採用している
学習塾業界では近年、「教える」ことから「考えさせる」ことへと、軸足を移そうとする動きが見られます。この変化は、単なる流行ではなく、社会全体の変化と結びついていると私たちは考えています。
知識を「教える」ことの価値が変わった
かつて学習塾の価値の中心は、学校では教えきれない知識を、効率よく教えることにありました。しかし、検索エンジンやAIによって、知識そのものへのアクセスは格段に容易になりました。知っているかどうかよりも、その知識をどう使い、どう考えるかが問われる場面が増えています。
これは、知識を教えることが不要になったという意味ではありません。知識は、考えるための材料として、これからも欠かせません。ただ、知識を「持っていること」だけでは差がつきにくくなった、という変化が起きています。
「考えさせる」指導は、手間がかかる
知識を教える指導は、体系化しやすく、効率的に展開できます。一方で「考えさせる」指導は、一人ひとりの答えが異なり、正解が一つに定まらないため、指導する側にも相応の手間がかかります。だからこそ、これまで多くの現場で、教える指導が中心になってきた側面もあるでしょう。
Ordinova Kidsが記述式の問いやAIチューターとの対話を軸にしているのは、この「手間のかかる部分」を、テクノロジーの力で支えられないかと考えたからです。子ども一人ひとりの記述に向き合い、思考の軸で評価することは、人手だけでは限界があります。
具体的に、何が変わるのか──ある算数の問題を例に
たとえば「1個120円のりんごを3個買いました。代金はいくらですか」という問題があったとします。「教える」型の指導では、120×3という式と答え360円を示し、似た問題を繰り返し解かせることで定着を図ります。
一方「考えさせる」型の指導では、「どうして掛け算を使うと思う?」「もしりんごの値段が途中で変わったらどう計算する?」といった問いを重ねます。答えそのものよりも、なぜその式になるのかを、子ども自身の言葉で説明できるかを大切にします。同じ単元を扱っていても、子どもの頭の中で起きていることは大きく異なります。
教える型
正しい手順を示し、繰り返し練習して定着させる。知識量を早く増やせるが、応用が利きにくい場面がある。
考えさせる型
問いを返し、理由を自分の言葉で説明させる。定着に時間がかかるが、初見の問題にも対応しやすくなる。
市場の変化は、まだ途上にある
「考えさせる教育」への関心は高まっていますが、実際の指導現場や、保護者が塾を選ぶ基準が、それに合わせて大きく変わったとまでは言い切れません。偏差値や合格実績は、依然としてわかりやすい判断材料です。市場全体が「教える」から「考えさせる」へ完全に移行したというより、両者が併存しながら、少しずつ比重が変わりつつある、という状態に近いのではないかと私たちは見ています。
Ordinovaは、この変化の途上において、知識を教えることと考えさせることを対立させるのではなく、両方を土台にしながら、子どもが自分の考えを持ち、確かめ、言葉にできる力を育てることを目指しています。