この記事のポイント
- 「相手の意見を認める」ことと「自分も賛成する」ことは、本来別の行為である
- 比べる前に、まず相手の考えの背景を理解しようとする姿勢が土台になる
- 多様性の時代に必要な強さとは、異なる意見に揺さぶられても自分の考えを保てることである
「多様性」という言葉が広く使われるようになりました。しかし、異なる意見を前にしたとき、実際にどう向き合えばよいのかは、簡単な問いではありません。
「認める」ことと「賛成する」ことは違う
多様性を尊重するというと、すべての意見に賛成しなければならないかのように誤解されることがあります。しかし、Ordinova教育憲章が大切にしているのは、異なる考えの存在を「認める」ことであり、「賛成する」こととは区別しています。
認めるとは、自分とは異なる考え方が存在すると理解したうえで、そのうえでなお、自分自身の判断を持つことです。賛成しないからといって、相手の存在や考え方を否定する必要はありません。
理解してから、比べる
異なる意見と向き合うとき、私たちがまず大切にしたいのは、拒絶ではなく理解です。相手がなぜそう考えるのか、どんな経験や価値観がその背景にあるのかを想像してみる。そのうえで、自分の考えと比べ、何が重なり、何が違うのかを見きわめます。
この順序(確かめる→理解する→比較する→認める→判断する)を飛ばして、いきなり賛成か反対かを決めてしまうと、対話は深まりません。
多様性の時代に求められる「強さ」
異なる意見に囲まれながらも、自分の意思を保ち続けること。これは、多様性の時代を生きるうえで必要な強さだと私たちは考えています。批判できる人ではなく、確かめながら理解できる人。主張できる人ではなく、異なる理念と共存しながら自分の意思を持てる人。それが、Ordinovaが育てたい人の姿です。
意見が違う相手を、説得しようとしなくていい
異なる意見に出会ったとき、無意識に「相手を自分の考えに近づけよう」としてしまうことがある。しかし多様性が前提の場では、必ずしも一致点を見つける必要はない。大切なのは、相手がなぜそう考えるに至ったのかという背景を理解しようとする姿勢であり、理解した上で自分の意見を変えないという選択も、もちろんある。
この姿勢は、子どもの頃からの対話の経験によって育っていく。正解を一つに決めない対話の場を重ねることで、意見の違いを「対立」ではなく「情報」として受け止められるようになる。