この記事のポイント
- 営業における「疑う力」とは、相手を疑うことではなく、自分の思い込みを疑うことである
- 思い込みを仮説に変え、実際の商談で確かめることで、営業の精度は着実に上がっていく
- 疑う力は、相手を決めつけず丁寧に向き合おうとする、相手への敬意でもある
「疑う」という言葉は、営業の現場ではあまり良い意味で使われません。お客様を疑うのか、自社の商品を疑うのか——そう聞こえてしまうからです。しかし、Ordinovaが営業スキルコーチング(Ordinova Works)で大切にしている「疑う力」は、相手を疑うことではありません。自分自身の思い込みを確かめる力のことです。
なぜ営業に「疑う力」が必要なのか
営業の現場では、日々たくさんの「思い込み」が生まれます。「この業界のお客様はこういうニーズを持っているはずだ」「前回うまくいった提案の型を使えば、今回もうまくいくはずだ」「値段がネックになっているに違いない」。こうした思い込みは、経験から生まれる有益な仮説でもありますが、同時に、確かめられないまま放置されると、営業の成果を止めてしまう原因にもなります。
Ordinovaが考える「疑う力」とは、こうした思い込みを「本当にそうだろうか」と一度立ち止まって確かめる力です。否定することではなく、確認することです。
思い込みを、仮説に変える
「疑う」だけで終わってしまうと、営業は前に進みません。大切なのは、疑った先で、確かめられる形の「仮説」に変えることです。
たとえば「値段がネックになっているに違いない」という思い込みは、「本当に価格が決め手なのか、それとも他に懸念があるのか」という問いに変えることができます。この問いを、実際の商談の中で相手に確かめてみる。返ってきた答えによって、次にどう動くかが変わります。
確かめてから、振り返る
仮説を確かめたら、その結果を振り返ります。仮説が当たっていたのか、外れていたのか。外れていたとしたら、なぜそう思い込んでいたのか。この振り返りを重ねることで、思い込みの精度が少しずつ上がっていきます。
これは、Ordinovaが児童向けの思考教育(Ordinova Kids)で大切にしている「予想する→確かめる→理解する→比べる→判断する→ふりかえる」という思考の流れと、まったく同じ骨格です。子どもの頃に育てる考える力と、大人が営業の現場で発揮する考える力は、形を変えているだけで、根っこは同じだとOrdinovaは考えています。
「疑う力」は、相手への敬意でもある
思い込みで話を進めるのではなく、確かめながら話を進める。これは、相手の話を最後まで聞く姿勢でもあります。「きっとこうだろう」と決めつけずに、「本当にそうですか」と確かめる姿勢は、結果として、相手により深く向き合うことにつながります。
まとめ
営業における「疑う力」とは、相手を疑うことでも、自社の商品を否定することでもありません。自分自身の思い込みを、確かめられる仮説に変え、実際に確かめ、振り返る。このサイクルを回し続けることが、営業成果を継続的に伸ばす力になります。
Ordinova Worksでは、この「確かめる」思考のサイクルを、実際の営業活動の中でコーチとともに回していく、個人向けの営業スキルコーチングを提供しています。
現場で使える、疑う力の小さな練習
疑う力を鍛えるには、大きな商談で一度に試す必要はない。日々の小さなやり取りの中で、「この人はこう思っているはずだ」という前提に気づいたら、その場でもう一度「本当にそうだろうか」と自問する。この小さな積み重ねが、商談本番での判断力につながっていく。
Ordinova Worksの個人向け営業スキルコーチングでは、こうした日常的な疑う練習を、実際の商談の振り返りと組み合わせて行っている。特別な場面だけでなく、普段の商談の中に練習の機会を見つけることが上達の近道になる。