この記事のポイント
- 労働市場には企業と求職者の間に「情報の非対称性」という構造的な問題がある
- マッチングの質は、当事者だけでなく経済全体の生産性にも影響を与える
- 「早い成約」と「良いマッチング」は必ずしも一致しない
人材紹介という事業は、経済全体で見れば、労働力を必要とする場所へ届ける「マッチング機能」を担っています。この機能は、なぜ市場に必要とされているのでしょうか。
情報の非対称性という問題
働く人は、自分に合う企業がどこにあるのか、すべてを把握しているわけではありません。企業側も、応募してくる人がどんな経験や価値観を持っているのか、履歴書や面接だけでは十分に把握しきれないことがあります。この「お互いに相手のことをよく知らない」という情報の非対称性が、人材紹介という仲介機能が必要とされる理由の一つです。
マッチングの質が、経済全体に与える影響
働く人が自分に合わない職場で働き続けることは、本人にとってはもちろん、企業にとっても、そして経済全体にとっても、本来発揮できたはずの力が発揮されないという意味で、機会の損失につながります。適切なマッチングは、個人の納得感だけでなく、労働市場全体の効率にも関わる問題だと私たちは考えています。
「早い成約」と「良いマッチング」は、必ずしも一致しない
人材紹介事業の収益構造上、早く成約させることへのインセンティブが働きやすい側面があります。しかし、早い成約が、必ずしも本人にとって良いマッチングであるとは限りません。Ordinova Talentという構想において、私たちが本人の意思決定支援を重視したいと考えているのは、経済的な機能としての人材紹介が、本来果たすべき役割に立ち返りたいと考えているからです。
「早く決まる」ことが、後から負担になる場合
人材紹介の現場では、早期の成約が評価されやすい構造がある。しかし、条件面だけを合わせて急いだマッチングは、入社後のミスマッチという形で後から表面化することが少なくない。早さと質は、必ずしも両立するとは限らない。
Ordinova Talentが目指すのは、成約を急ぐことよりも、本人の適性や価値観まで踏み込んで確認したうえでのマッチングである。時間をかけた分、双方にとって長く続く関係につながりやすくなると考えている。